塾長ブログ
【速報分析】令和8年度 群馬県公立高校入試・国語|国語専門塾が読み解く出題傾向と中1・2年生が今やるべきこと
こんにちは、高崎国語塾彩の蓮です。
2月19日、令和8年度(2026年度)群馬県公立高校入試の本検査が実施されました。
受験生の皆さん、本当にお疲れさまでした。
さて、高崎国語塾彩では毎年、入試問題を詳しく分析しています。今回も国語の問題を徹底的に読み解いてみました。
特に、来年・再来年に受験を控える中1・中2の皆さんとその保護者の方にとって、「今のうちに何をすべきか」を考えるヒントになる内容です。ぜひ最後までお読みください。
今年の出題構成と各大問の分析
今年の群馬県公立高校入試・国語は、大問5つで構成されました。大きな構成としては例年通りですが、素材文の選び方や問われる力に注目すべき変化がありました。
■大問一(論説文の読み比べ+作文)
〔文章1〕戸谷洋志『悪いことはなぜ楽しいのか』(ちくまプリマー新書/筑摩書房/2024年刊)
〔文章2〕小野純一『僕たちは言葉について何も知らない 孤独、誤解、もどかしさの言語学』(NewsPicksパブリッシング/2025年刊)
※〔文章2〕にはウェブメディア『CHANTO WEB』の記事も引用されていました。
テーマは「空気を読むこと」と「自分らしさ」。
〔文章1〕では、哲学者ハイデガーの「本来性」と「非本来性」の概念を用いて、人間が日常的に「空気を読んでしまう」存在であることを論じています。〔文章2〕では、子どもが「みんな持ってるから買って」と言う具体的なエピソードを通じて、他者との対話によって自分の本心に気づく過程を描いています。
この大問のポイントは、2つの文章を「読み比べる」力が求められている点です。それぞれの文章の主張を正確に理解した上で、構成の違い(問いかけ型 vs 事例分析型)を見抜く必要がありました。
さらに、150字以上180字以内の作文では、「自分らしさに気付くにはどうすればよいか」を、自分の経験を踏まえて書くことが求められました。
戸谷洋志さんの『悪いことはなぜ楽しいのか』は、2025年度の中学入試でも複数校で出題された話題の書籍です。ちくまプリマー新書は中高生向けに書かれた哲学書が多く、入試の出題元として非常に注目度の高いシリーズです。また、小野純一さんは群馬県出身の言語哲学者で、地元ゆかりの著者からの出題という点も興味深いところです。ちなみに高崎国語塾彩の11月のある日のブログでは、出典予想に戸谷洋志「悪いことはなぜ楽しいのか」を書いておりました。
■大問二(小説文)
村崎なぎこ『オリオンは静かに詠う』(小学館/2025年1月刊)
聴覚に障がいのある妹「静香」と、競技かるたに打ち込む姉「アタシ」の関係を描いた青春小説からの出題です。手話でのコミュニケーション、引っかき絵の比喩、皆既日食と星空のイメージなど、豊かな表現が散りばめられた文章でした。
問われたのは、登場人物の行動の意味を読み取る力、比喩表現の意味を解釈する力、そして「アタシ」が「静香」との関係についてどのような気付きを得たかを記述する力です。
注目すべきは、手話でのやり取りが〈 〉で表記され、声によるコミュニケーションと手話によるコミュニケーションが対比的に描かれている点です。表現技法に関する問題として、この記号の使い方自体も問われていました。
この作品は2025年1月刊行のまさに新刊。発売からわずか1年ほどでの出題であり、群馬県の入試問題作成者が最新の文学作品に目を配っていることが分かります。
■大問三(古典)
〔文章〕『土佐日記』より、阿倍仲麻呂が唐から帰国する際の場面
〔漢詩〕李白「静夜思」(『唐詩選』より)
古典の定番である『土佐日記』からの出題ですが、今年は漢詩と組み合わせた「読み比べ」形式でした。阿倍仲麻呂が望郷の和歌を詠み、唐の人々がその心情を理解する場面と、李白の有名な「静夜思」を結びつけ、「月」を共通のモチーフとして日本人と唐の人の心の共通性を考えさせる問題でした。
歴史的仮名遣い、文章の内容理解、和歌の詠まれた場面の把握、そして漢詩の形式(五言絶句)の知識まで幅広く問われました。
■大問四(スピーチ・資料読解)
文化庁「令和5年度 国語に関する世論調査」のデータを用いて、「日本語の魅力」についてのスピーチ原稿を作成する場面設定でした。
資料(グラフ)の正確な読み取り、会話文の中での論理的な思考、スピーチ原稿の修正案を考える力が問われました。
実生活に即した「言語活動」の問題であり、ただ文章を読むだけでなく、情報を整理し、相手に伝わるように構成する力が求められます。
■大問五(漢字・語句・書写)
漢字の読み書き、平仮名の部分を漢字に直す問題、そして行書で書かれた漢字の点画の省略を見分ける問題が出されました。基礎的な知識問題ですが、確実に得点したい分野です。
今年の出題から見える3つの傾向
1. 「読み比べ」が定着
大問一の論説文、大問三の古典と漢詩、いずれも2つの文章を比較して読む力が問われました。1つの文章を読んで答える形式ではなく、複数のテキストを関連づけて考える力がますます重要になっています。
2. 新刊からの出題が加速
大問一の戸谷洋志さん(2024年刊)、小野純一さん(2025年刊)、大問二の村崎なぎこさん(2025年1月刊)と、刊行から1〜2年以内の非常に新しい書籍からの出題が目立ちました。日頃から新しい本に触れておくことが、入試国語の「慣れ」につながります。
3. 「自分の考えを書く」記述・作文の重要性
大問一の作文(150〜180字)、大問二の記述問題など、自分の言葉で考えをまとめて書く力は、配点も大きく、合否を分ける最大のポイントです。
中1・中2の皆さんが今からやるべきこと
入試問題を見て、「難しそう」「まだ先の話」と感じたかもしれません。でも、国語力は一朝一夕には身につきません。だからこそ、「今」始めることに大きな意味があります。
●読書の習慣をつける
ちくまプリマー新書のような中高生向けの新書は、論説文対策として最適です。「空気を読む」「言葉の力」といったテーマは、日常生活ともつながっていて読みやすいはずです。
●「読み比べ」に慣れる
2つの文章を読んで、共通点と相違点を自分なりにまとめる練習をしてみましょう。定期テストの教科書本文でも、異なる筆者の文章を比べてみると、読解力が一段階上がります。
●書く力を磨く
日記でも感想文でも構いません。「自分はどう思ったか」「なぜそう思ったか」を言葉にする習慣が、入試の記述問題や作文に直結します。150字程度でまとめる練習を、今のうちから始めておくと大きな差がつきます。
●古典は「音読」から始めよう
古典が苦手な生徒の多くは、古文を「読める」状態になっていません。まずは教科書の古文を声に出して読むこと。歴史的仮名遣いに慣れ、リズムをつかむことが古典攻略の第一歩です。
●漢字は毎日コツコツと
大問五の漢字・語句は、努力がそのまま点数になる分野です。毎日10分の漢字練習が、入試本番での「確実な得点」を生みます。
国語は「後から何とかなる」科目ではありません
「国語は勉強しなくても何とかなる」「数学や英語を優先すべき」という声を耳にすることがあります。
しかし、今年の入試問題を見ていただければ分かるように、国語で求められているのは、読む力・考える力・書く力という、すべての教科の土台となる力です。
しかも、この力は短期間では身につきません。
中3になってから焦っても、読解力や記述力を一気に伸ばすのは非常に難しい。だからこそ、中1・中2の「今」が勝負なのです。
高崎国語塾彩では、国語が苦手な生徒、あるいは「何となくできているけれど、もっと伸ばしたい」という生徒に向けて、一人ひとりの課題に合わせた指導を行っています。
「うちの子、国語が心配で……」そう思った今が、動き出すタイミングです。
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