合格戦略ブログ
「うちの子、読書はするのに国語ができない」の正体。──読書量では、国語の点数は上がりません
「うちの子、本はよく読むんです。それなのに国語のテストになると点が取れなくて……」。面談で、28年間いちばん多くいただいてきたご相談がこれです。読書が好きで読む量も人並み以上。なのに国語の成績だけが伸びない。保護者の方からすれば、これほど不思議でもどかしいことはないと思います。
結論から申し上げます。読書量と国語の点数は、そのままつながりません。たくさん読めば国語ができるようになるというのは、実は多くのご家庭が抱いている誤解なのです。決してお子さんの努力が足りないわけではありません。「読書」と「国語の試験」がそもそも別のスキルだからです。今日はその「正体」を、はっきりお話しします。
読書で育つ力と試験で問われる力は別ものです
読書はすばらしい習慣です。語彙が増え物語を楽しみ想像力が広がる。これらは確かに育ちます。けれど、それは多くが「自分が楽しむための読み方」です。続きが気になって先へ先へと読む。登場人物に感情移入する。読み終えて「面白かった」と感想を持つ——読書とは本来、そういう自由な営みです。
一方で、国語の試験で問われるのはまったく別の力です。「なぜそう言えるのか」を本文を根拠に説明する力。傍線部の理由を答える、筆者の主張を読み取る、出題者の意図をつかむ。どれも「自分がどう感じたか」ではなく「本文のどこに、そう判断できる根拠があるか」を問うています。読書が"楽しむインプット"なら、試験は"根拠を示すアウトプット"。鍛えている場所がそもそも違うのです。
同じ問題で答えがこう変わります
いちばん分かりやすい例をお見せします。「傍線部の理由を書きなさい」という、よくある記述問題です。
読書好きな子の答え:「〜だと思うから。」
国語ができる子の答え:「本文○行目に〜とあり、〜だから。」
この差がお分かりになるでしょうか。読書好きな子は自分の感じたことを書きます。間違ってはいません。でも、それは「感想」です。
一方、国語ができる子は、必ず本文の中に根拠を見つけてそこから答えを組み立てます。
これが「読み方・解き方」の違いです。そしてこの差は読書量ではなく訓練でしか埋まりません。どれだけ本を読んでも「根拠を探して答える」練習をしなければ自然には身につかないのです。
彩が大切にしているのは、まさにここです。“なんとなく”解くのをやめて根拠をもって読む。どこに線を引きどの一文を根拠に答えを出すのか。その手順を一問ずつ一緒に確かめていきます。
「国語はセンス」とよく言われますが、私はそうは思いません。正しい読み方と解き方があり、それは誰でも訓練で身につけられます。
ご家庭で、今日からできること
では、家庭では何ができるか。あれこれ手を出す必要はありません。「音読+一文要約」を一つ習慣にしてみてください。
やり方はシンプルです。教科書でも本でもかまいません。一段落を声に出して読んだら、「今の段落を、一文でまとめると?」とお子さんに聞いてみる。最初はうまくまとめられなくて当然です。
それでいいんです。長い文章を要点を落とさずに短くする。この作業こそが、「どこが大事で、どこが根拠か」を見抜く読解力の土台になります。
一日五分で十分です。三か月続けると読み方が変わってきます。声に出すことで飛ばし読みも防げるので読書好きな子ほど効果が出やすい方法です。
読書好きは、大きな財産です
最後に、これだけはお伝えしたいことがあります。お子さんが本を好きなことはまぎれもなく大きな財産です。その土台があるからこそ「根拠をもって読む」という一手間を加えるだけでぐんと伸びる可能性を秘めています。足りないのは読書量でも才能でもありません。読み方を少し変えるだけなのです。
「本は好きなのに、国語の点が取れない」。
そのもどかしさの正体が見えたら、あとは正しい読み方を入れていくだけです。
お子さんの読書好きを国語の力に変えるお手伝いができればと思います。
気になった方は、ぜひ一度ご相談ください。
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