合格戦略ブログ
筋トレせずにプロテインを飲む|テスト前に点数を上げにいく子ほど、国語が伸びない理由
塾という場所は、保護者の方からはほとんど見えません。
お子さんが教室で何を考え、どこでつまずき、どんな顔で問題に向かっているのか。送り出して、迎えに行く。その間の80分は、完全にブラックボックスです。
だから結果で判断するしかない。これは当然のことです。テストの点数、模試の偏差値、順位。それしか届かないのであれば、それで判断するほかありません。保護者の方が点数を気にされるのを、私は一度も責めたことがありません。見えなくしているのは、塾の側だからです。
ある東大生の言葉が、塾の急所を突いていました
先日読んだ東洋経済education×ICTの記事に、現役の東大生と京大生の対談が載っていました。その中で、東大生がテスト前の点数稼ぎをこう表現していたのです。
「筋トレをせずにプロテインだけ飲むようなもの」。
土台を立て直す時間はかかる。だから目先の点数だけを何とかしようとする。よく分かる感覚です。
けれども私が本当に唸ったのは、その次の指摘でした。同じ記事の中でこの学生は、月次テストが保護者にとって結果を知るほぼ唯一の機会になっている、と言うのです。だから子どもは公式やパターンの暗記でごまかすしかない。一時的に点数は上がる。しかし根っこは治らないまま、親も気づかない。そして点数が毎月突きつけられる環境では、点数を気にせず土台からやり直そうという発想にはなりづらい——。
子どもが「ごまかす」のは、弱いからではありません
ここを読んだとき、私は28年間ずっと感じてきたものが言語化された気がしました。
考えてみてください。点数がお子さんから家庭への唯一の報告書になっているとしたら、その子にとって点数を守ることは、自分の居場所を守ることと同じ意味になります。
そんな状況で「今月は点数を捨てて、読み方を一から作り直そう」と決断できるでしょうか。それは自分から報告書を白紙で出す行為です。小学生や中学生に、その勇気を求めるのは酷というものです。
つまり悪いのは、テストでも子どもでもありません。報告の経路が点数の一本しかないという構造なのです。
そしてこの罠は、国語で最も深く効きます
他の教科なら、暗記で乗り切った先にもまだ道はあります。しかし国語は違います。
学校の定期テストは、授業でやった文章が出ます。だから本文を覚え、ワークの答えを覚えれば点数は取れる。実際それは正しい対策であり、私も指導します。
問題はその先です。模試も入試も、必ず初見の文章です。覚えた答えは一つも使えません。定期テストだけ80点で模試になると偏差値が10落ちる。あの現象の正体がこれです。
暗記で積んだ点数は、初見の文章の前で音を立てて崩れます。しかも本人は、なぜ崩れたのか分からない。土台がないまま上に積んだからです。頑張った分だけ負債になっていた、ということが国語では起こります。
それでも私は、目の前の1点を取りにいきます
誤解のないように申し上げます。
私は「点数なんて気にするな」と言うつもりは一切ありません。目の前の1点を上げること。定期テストで結果を出すこと。志望校に届かせること。それは保護者の方が求めておられるものであり、月謝をいただいている私の仕事そのものです。そこから逃げる塾長の理想論に、意味はありません。
前橋女子、高崎女子、農大二高、本庄東。1つでも上の学校に合格すれば、見える景色は変わります。選択肢も広がります。だから合格は大事です。心から大事だと思っています。
けれど、テストも合格も「目的」ではないはずです
ここが今日いちばんお伝えしたいところです。
テストは、合格のための手段です。
合格は、選択肢を広げるための手段です。
選択肢が広がることは、お子さんが自分の人生を選べるようになるための手段です。
そしてその先に、保護者の方が本当に願っているものがある。お子さんの幸せです。
手段が目的にすり替わった瞬間に、勉強は苦役に変わります。テストのためのテスト。塾に通うための塾。「塾に行くほど国語が下がる」という話が現実に起きるのは、まさにこの反転が起きているからではないでしょうか。
勉強は、本来は楽しいものです。
知らなかったことを知る。考えたこともない見方に出会う。ここが面白いなと思って、もう一度読み返してみる。国語という教科は本来、その入り口のはずなのです。その部分をすべて飛ばして、目の前のテストにだけ執着する。これでは伸びないのは当たり前ですし、何より、もったいない。
だから彩は、点数以外のものをお届けします
この構造から抜ける方法は、テストをやめることではありません。点数以外の経路を、もう一本つくることです。
マーキングの線の引き方が変わった。設問を読む順番が変わった。拾うべき骨が拾えるようになった。記述の書き出しで迷わなくなった。
これらはすべて、点数が動くより前に起きる変化です。ここを保護者の方が知っていてくだされば、お子さんは点数以外の場所でも認めてもらえます。土台に戻る決断のコストが、そこで初めて下がるのです。
高崎国語塾 彩が1クラス4名までにこだわり、塾長である私が全員の答案を1枚残らず添削し、楽器に1~2回、レポートをお渡ししているのは、そのためです。少人数だから見える、のではありません。見えたものをご家庭にお渡しするところまでが仕事だと考えています。
正直に申し上げれば、この罠はどんな塾でも生まれます。月謝をいただく以上、結果を求められる構造は消えません。うちは違います、などと言うつもりはありません。同じ構造の中にいるからこそ、私は答案とレポートで抵抗しているのです。
お子さんは、まだ何も失っていません
今、定期テストは取れるのに模試が取れない。テスト前だけ慌てて終わると忘れる。そんな状態だとしても、それはお子さんの能力の問題ではありません。点数しか報告できない場所に、ずっと立たされてきただけです。
読み方には、決まりがあります。解き方にも、型があります。それを一つずつ手渡していけば、初見の文章でも自信を持って正解できるようになります。そのとき国語は、点数を守る科目から、面白がれる科目に戻ります。
そして国語が戻ってきた子は、他の教科も静かに変わり始めます。文章が読めるというのは、そういうことだからです。
まずは一度、教室にいらしてください。彩の体験授業は「デモ」ではなく、1回目の授業そのものです。お子さんの答案を見れば、どこに土台の穴があるのかを、その場でお伝えできます。
教室・曜日
前橋にて:火・木
高崎にて:水・土
対象:小学4年生〜高校3年生/1クラス4名まで/塾長が全答案を添削
